マックス・フェルスタッペンが2026年のF1シーズンもレッドブルに残留することが濃厚となり、その動向は多くのドライバーに影響を与えるでしょう。特にジョージ・ラッセルにとっては大きな意味を持ちます。当然のことかもしれませんが、フェルスタッペンが新エンジンを搭載するレッドブルに少なくとも2027年まで留まることは、まさにラッセルが受けるに値する状況と言えるでしょう。
なぜ重要なのか
このシナリオは、ラッセルがようやく、実際にチャンピオンシップを争えるメルセデスチームのアンカーとしてシーズンに臨むことを可能にします。ラッセルとメルセデスとの新たな契約は既定路線であり、契約期間が唯一の論点として残っています。現在最も注目されるのは、2026年のレギュレーション刷新です。
ラッセルの歩み
ラッセルは最高のマシンで勝利を収めたこともあれば、勝利を逃したこともあります。しかし、彼が真にチャンピオンシップを狙えるマシンに乗ったのは、2020年のサクヒールGPでルイス・ハミルトンの代役としてメルセデスW11をドライブしたわずか1週末だけです。彼がメルセデスに本格的に加入したのは、チームが低迷期に入った時期と重なり、いわゆる“銀のスプーンをくわえて生まれる”ような状況は訪れませんでした。
それでもラッセルは期待に応え、ハミルトンとほぼ互角のパフォーマンスを見せました。彼はF1で最高の状態にあると広く認識されており、特に新人キミ・アントネッリと比較するとその評価は顕著です。予選ではアントネッリに対し14勝2敗(スプリント含む)と圧倒し、平均で0.4~0.5秒の差をつけています。これはレッドブルでのフェルスタッペンに匹敵する支配的な差です。
2026年の展望
2024年と2025年が足踏み状態のように感じられるのは、フェラーリにおけるシャルル・ルクレールの状況と似ています。しかし、2026年シーズンは真の可能性を秘めています。メルセデスに留まり、チームメイトに対して明確な優位性を持つことで、ラッセルにとって最も現実的なタイトル獲得のチャンスが訪れるでしょう。2026年の勢力図は現時点では不透明ですが、メルセデスは2014年のような革新的なパワーユニットを投入し、優位に立つと広く予想されています。
メルセデスのテクニカルチーフ、ジェームス・アリソンは、2026年のレギュレーション変更により、ストレートエンドでの負荷が大幅に軽減されるなど、良い方向に向かう点もあると指摘しています。しかし、タイヤが小さくなることで負担が増えることや、ピレリが低い温度で性能を発揮するタイヤを開発する必要があるなど、依然として課題は残ります。2026年の車両規定の全面的な見直しは、現在の優位性を無効化する可能性があり、メルセデスの豊富なリソースとノウハウが有利に働くでしょう。
結論
もしメルセデスが2026年にチャンピオン獲得可能なマシンを投入するなら、ラッセルがその恩恵を受ける筆頭に立つべきです。彼はまっすぐなチャンピオンシップへの窓口、少なくともメルセデスが他の有力ドライバーを招き入れる前に、1年間は恩恵を受けるに値する活躍をしてきました。F1はタイミングのスポーツであり、今こそラッセルがトップの座を掴む瞬間かもしれません。