キャデラックは、F1デビューシーズンに向けてバルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスの両ドライバーを確保する交渉を進めていると報じられています。交渉は最終段階にあり、主要な条件は数週間前に合意されているものの、契約はまだ署名されていません。
なぜ重要か
レースで勝利経験のある2名のベテランドライバーを確保することは、比較的短い準備期間でF1に参入する新規チームであるキャデラックにとって、大きな成果となります。彼らの総合的な知識は、チームの開発を加速させ、初期の競争上の不利を克服する上で計り知れない価値があるでしょう。
詳細
- 最優先候補: ボッタスとペレスは数カ月前からキャデラックの最優先候補でした。その他には、ジョウ・グァンユ、フェリペ・ドルゴビッチ、ポール・アーロンなどが検討されていました。
- 経験重視: 7月下旬にゼネラルモーターズとTWGグローバルの関係者による会議で、経験豊富なドライバーを優先する方針が固まりました。
- 発表間近: F1のサマーブレイク前の発表は実現しなかったものの、もし契約が迅速に最終決定されれば、早ければ来週のF1シーズン再開と同時に、両ドライバーの同時発表が行われる可能性もあります。
- 戦略的利点: 早期に契約を締結することで、シミュレーター開発への即時統合や、旧型車両でのオンライントラックテストへの参加が可能となり、チームの準備を支援します。
ドライバープロフィール
- バルテリ・ボッタス: グランプリで10勝を挙げ、メルセデスで2度チャンピオンシップの準優勝を経験。メルセデスのリザーブドライバーであり、キャデラックでの作業を迅速に開始できると見られています。
- セルジオ・ペレス: 6勝を挙げ、2023年にはマックス・フェルスタッペンをサポートし、レッドブル初のドライバーズチャンピオンシップ1-2フィニッシュに貢献しました。ペレスは現在フリーエージェントです。
豊富な経験
両ドライバーはF1で印象的な経験を誇ります。
- ペレスはF1の通算出走回数で歴代8位(281戦)。
- ボッタスは歴代13位タイ(246戦)。
- 現在のグリッドでこれ以上の出走経験を持つのはルイス・ハミルトンとフェルナンド・アロンソのみです。
両者とも来シーズンには36歳となり、最近トップチームから放出されたものの、アルピーヌのような既存チーム(両者と接触済み)ではなくキャデラックと複数年契約を結ぼうとしていることは、このプロジェクトに対する強い信頼を示しています。
今後の展望
キャデラックは、昨年の11月にF1参入が確定したばかりであるため、当初は競争上の不利に直面すると予想されています。挫折に対処する方法を知り、中団チームとトップチームの両方での経験を持つ2人のドライバーの存在は極めて重要です。F1の成功したプロセス、システム、インフラに関する彼らの洞察は、キャデラックがF1体制をゼロから構築する上で重要な指針となるでしょう。
レースで勝利経験のあるドライバーを新規参入チームが獲得することは非常に稀です。直近では2010年のロータス(ヘイキ・コバライネン、ヤルノ・トゥルーリ)、それ以前では1999年にジャック・ビルヌーブが新チームBARでポイントなしのデビューシーズンを率いた例があります。