課題を抱えていたピレリの実験的C6ソフトタイヤは、2026年に向けて大幅な変更が予定されており、今シーズンのラスベガスGPでは使用されないことが決定しました。
なぜ重要か
2025年に導入されたC6タイヤは、低エネルギーの市街地コースでの戦略を活性化させることを目的としていましたが、ピークグリップの引き出しにくさやグレイニングへの感受性といった課題があり、その有用性とレース戦略への影響が制限されていました。
詳細
C6タイヤの現状
- C6タイヤは今シーズン、イモラ、モナコ、モントリオールで使用され、バクーでの追加使用が予定されています。
- ピレリはシンガポールとラスベガスではC6の使用を見送り、代わりにC3-C4-C5のコンパウンドを選択しました。
- ピレリのチーフエンジニア、シモーネ・ベラ(Simone Berra)はラスベガスでの決定について、「当初はC6を持ち込む考えでしたが、C6を使用した今シーズンの前半戦の分析を踏まえると、ラスベガスではC6がグレイニングにさらに苦しむ可能性があると判断しました。すでに1ストップと2ストップのどちらも可能なレースであり、これ以上レースに面白さを加える理由はありませんでした」と説明しました。
2026年に向けた変更
- ピレリは、フロント幅が25mm、リア幅が30mm狭くなる2026年型F1マシン向けの新しいタイヤを開発しています。
- 特にC6コンパウンドは、現在のものとは大きく異なるものになる見込みです。ピレリは、C5との間に「適切なラップタイム差」を設け、パフォーマンス走行時により「管理しやすいタイヤ」を目指しつつ、低エネルギーコースに適したタイヤであることを維持する方針です。
コンパウンドスキップの再導入
- ピレリは、戦略の多様性を高めるため、オースティン(C1-C3-C4)とメキシコシティ(C2-C4-C5)の両GPでタイヤコンパウンドを1つ飛ばして供給します。
- ピレリのマリオ・イゾラ(Mario Isola)は、これらの会場でのシミュレーション結果が2ストップ戦略が1ストップよりもわずかに速いことを示しており、チームがより攻撃的な戦略を取ることを促す狙いだと説明しました。
- ピレリはまた、バクーとザントフォールト(よりソフトな選択)、そして昨シーズンC5がほとんど使用されなかったブラジル(よりハードな選択)についてもアロケーションを調整し、3つのコンパウンドすべてがレース戦略に有効であることを目指しています。
今後の展望
ピレリは、3つのコンパウンドすべてがレース戦略に適していることを確保するため、タイヤの開発を継続しています。2026年の新世代F1マシンの要求に対応するため、レギュレーションに合わせた大幅な見直しが予定されています。