メルセデスがW16の主要性能問題を特定、2026年への教訓に
メルセデスは、最近の開発経路における予期せぬ結果を特定することが、2026年のF1マシンW17にとって極めて重要な洞察を提供すると考えています。チームは2025年シーズン第2四半期に一貫性のないパフォーマンスに直面しており、現在コンストラクターズ選手権でフェラーリに24ポイント差をつけられています。
パフォーマンスの低下
なぜ重要か: メルセデスのシーズンは好調なスタートを切り、ジョージ・ラッセルがカナダで優勝し、キミ・アントネッリが初の表彰台を獲得しました。しかし、イモラ以降、全体的なパフォーマンスの一貫性は著しく低下し、定期的な表彰台争いから、より頻繁にトップ5またはトップ6に入る状況へと移行しました。
- シーズン序盤(メルボルンからマイアミ): 一貫したパフォーマンス、ドライバーの自信、定期的な表彰台争い。
- シーズン中盤(イモラ以降): より一貫性がなく、カナダでの勝利という高いピークがあったものの、平均的にはフロントからさらに離れた位置に。
- 問題点: ドライバーは、コーナー進入時の不安定さによる自信の欠如を報告しており、これによりターンに完全に集中することが困難になっていました。この自信の喪失がパフォーマンスに直接影響していました。
後方への回帰とその影響
何が起きたのか: チームのパフォーマンス低下は、開発不足によるものではなく、特定のアップデートが意図しない結果をもたらしたことによるものでした。メルセデスのチーム代表ブラッドリー・ロードは、この不安定さを引き起こした変更点を特定するために「元の道筋をたどっている」ことを確認しました。
- ハンガリーでの戦略: ハンガリーグランプリでは、メルセデスはシーズン序盤に使用していた旧仕様のリアサスペンションに戻しました。
- 即座の結果: この決定は効果的でした。ドライバーは車の安定性が向上したと報告し、ジョージ・ラッセルはカナダ以来の表彰台を獲得しました。
- アンドリュー・ショブリンの見解: メルセデスのトラックサイドエンジニアリング責任者であるアンドリュー・ショブリンは、新仕様のサスペンションが特に高速コーナー進入時の自信喪失を引き起こしたと指摘しました。チームは現在、根本原因を完全に理解するために取り組んでいます。
2026年に向けた重要な教訓
全体像: 今シーズンは残り10レースしかないものの、メルセデスはパフォーマンス問題へのこの徹底的な分析を、根本的に異なる2026年レギュレーションとW17マシンにとって計り知れない価値があると考えています。
- データ収集: 残りのレースは、さまざまなタイプのサーキットで広範なデータを収集する機会を提供します。
- 将来への応用: ショブリンは、特にサスペンションに関する多くの学びが、大幅な規則変更にもかかわらず、2026年車の開発に直接役立つと強調しました。
- 業界の傾向: これはメルセデスに限ったことではありません。2024年のレッドブルを含む他のトップチームも、シミュレーションでは実車の挙動を完全に捉えきれない、感度の高いグラウンドエフェクト規定下で開発の誤り(袋小路)に直面しています。
その他の要因
サスペンション以外: リアサスペンションが主要な原因であるように見えますが、メルセデスは他の潜在的な影響も認めています。
- FIAフレキシブルウィング技術指令: スペイングランプリ頃に導入された、フロントウィングの剛性に関するFIAの技術指令も一因である可能性があります。カナダでの勝利がこの後に続きましたが、ロードは、それがチームが考慮しているいくつかの要素の1つであり、唯一の「決定的な証拠」ではないと述べています。
- 包括的な見直し: チームは、W16の核となる問題に対処しつつ、意図せずに車の「良い点」を失わないよう、すべてのアップデートを慎重にレビューしています。