2025年ハンガリーGPでは、優勝を巡る激しい戦いが繰り広げられましたが、その裏では、数名のドライバーが週末のパフォーマンスに大きく影響する特筆すべき活躍、あるいは苦戦を見せました。
注目すべき理由 このランキングは、レース結果だけでなく、速さ、レース巧者ぶり、一貫性、そして彼らがマシンの潜在能力をどこまで引き出せたかなど、週末全体のドライバー個々のパフォーマンスを評価するものです。
トップパフォーマンス
- ガブリエル・ボルトレート (ザウバー): 7位スタート、6位フィニッシュ。素晴らしい週末でした。Q2ペースのザウバーを常にQ3に導き、マックス・フェルスタッペンとの序盤のバトルを含め、非の打ちどころのないレース運びでF1キャリア最高成績を収めました。彼は進化を続けるザウバーからすべてを引き出しました。
- フェルナンド・アロンソ (アストンマーティン): 5位スタート、5位フィニッシュ。背中の筋肉の負傷にもかかわらず、格段に強くなったアストンマーティンの性能を最大限に引き出しました。終始速さを見せ、ポールポジションにも肉薄。ペースを管理し、不必要なバトルを避けるなど、見事なレースを見せました。
主要ドライバーと背景
- シャルル・ルクレール (フェラーリ): 1位スタート、4位フィニッシュ。アップグレードされたフェラーリで驚きのポールポジションを獲得し、最高の状態でした。序盤は好調でしたが、フェラーリの問題が顕在化するとポジションを維持できませんでした。ジョージ・ラッセルに対する過度な防御はペナルティにつながりました。
- オスカー・ピアストリ (マクラーレン): 2位スタート、2位フィニッシュ。ランド・ノリスに敗れたことに、当然ながらフラストレーションを感じています。予選ではノリスを僅差で上回り、スタートでトラックポジションを維持。2ストップ戦略が論理的でしたが、最終的に勝利を逃す結果となりました。
- ジョージ・ラッセル (メルセデス): 4位スタート、3位フィニッシュ。リアサスペンションの仕様変更で活性化し、メルセデスに以前より満足していました。堅実な2ストップ戦略を実行し、ペースを落としたシャルル・ルクレールを抜き去り、3位を獲得しました。
- ランド・ノリス (マクラーレン): 3位スタート、1位フィニッシュ。状況が勝利の機会をもたらしました。ワンストップ戦略を見事に実行しましたが、予選でオスカー・ピアストリにわずかに劣り、スタートでポジションを失ったことが、皮肉にも勝利につながる戦略的なギャンブルを可能にしました。
明暗分かれたパフォーマンス
- ランス・ストロール (アストンマーティン): 6位スタート、7位フィニッシュ。フェルナンド・アロンソのレベルには及ばないものの、それに匹敵する走りでした。予選ではアロンソとほぼ同じタイムを記録し、今季最も強い週末の一つとなりました。レースペースはわずかに劣り、ガブリエル・ボルトレートにポジションを奪われました。
- リアム・ローソン (RB): 9位スタート、8位フィニッシュ。予選はまずまず、レースは傑出。Q3でアイザック・ハジャルを10分の1秒差で上回りチーム内バトルに勝利。ワンストップ戦略でマックス・フェルスタッペンを終盤抑え込むなど、強力なレースを見せました。
- マックス・フェルスタッペン (レッドブル): 8位スタート、9位フィニッシュ。グリップ不足により、いつものマジックを発揮できませんでした。週末を通してグリップ不足に苦しみ、早期ピットストップとトラフィックに阻まれました。進捗を維持できず、リアム・ローソンに後れを取りました。
- カルロス・サインツ (ウィリアムズ): 13位スタート、14位フィニッシュ。限られたウィリアムズでまずまずの週末でした。予選は一見すると期待外れに見えましたが、マシンのペースを考慮すればアレックス・アルボンを上回る良いパフォーマンスでした。レースはピエール・ガスリーとの接触により影響を受けました。
苦戦したドライバーたち
- アイザック・ハジャル (RB): 10位スタート、11位フィニッシュ。Q3がもっと良ければポイント圏内だったでしょう。リアム・ローソンよりも速いように見えましたが、Q3での乱れたラップが響きました。
- アンドレア・キミ・アントネッリ (メルセデス): 15位スタート、10位フィニッシュ。Q2でのミスが大きく響きましたが、自信を取り戻しました。Q2でのラップ削除がスタートポジションに深刻な影響を与えましたが、レースでは好走しポイントを獲得しました。
- 角田裕毅 (レッドブル): 20位スタート、17位フィニッシュ。マックス・フェルスタッペンとの差が縮まったのは励みになります。パワーユニット部品交換によるピットレーンスタートがレースを妨げましたが、予選ペースはマックス・フェルスタッペンに予想以上に迫りました。
- ニコ・ヒュルケンベルグ (ザウバー): 18位スタート、13位フィニッシュ。フラストレーションの残る週末でした。予選でバランスに苦しみ、ジャンプスタートペナルティがトラックポジションの問題を悪化させました。
- アレックス・アルボン (ウィリアムズ): 19位スタート、15位フィニッシュ。少なくともレースでは巻き返しました。タイヤ準備の問題でQ1は悪夢でしたが、レース序盤でいくらか進歩を見せました。
- フランコ・コラピント (アルピーヌ): 14位スタート、18位フィニッシュ。本人の言葉通り、「全体的に良いレースではなかった」です。ペースは時折光るものがありましたが、不運なスタートと遅いピットストップがレースを台無しにしました。
- オリバー・ベアマン (ハース): 11位スタート、DNF。速さはあったもののミスが裏目に出ました。彼はハースのより速いドライバーでしたが、フロアの損傷などのミスがリタイアにつながりました。
- ピエール・ガスリー (アルピーヌ): 16位スタート、19位フィニッシュ。不利な状況で懸命に戦いました。マシンにないパフォーマンスを追求しようとして、様々な大胆なセットアップを試み、自滅する結果となりました。カルロス・サインツとの接触によるペナルティで最終順位は最下位に。
- エステバン・オコン (ハース): 17位スタート、16位フィニッシュ。予選での苦戦がポイント獲得を絶望的にしました。オリバー・ベアマンと異なり、車のセットアップに対応できず予選で苦戦し、遅いピットストップもレースに影響を与えました。
- ルイス・ハミルトン (フェラーリ): 12位スタート、12位フィニッシュ。8月の休みが切実に必要です。不本意な予選、自滅的なミス、そしてレース序盤の失速により、週末の評価は最悪の部類に入りました。