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キミ・アントネッリ、ジェンソン・バトンではなくDRS最後の作動者に。アブダビで歴史的瞬間

キミ・アントネッリ、ジェンソン・バトンではなくDRS最後の作動者に。アブダビで歴史的瞬間

要約
メルセデスのキミ・アントネッリが、2025年アブダビGP最終ラップでF1史上最後のDRS作動者となった。2011年に初使用したジェンソン・バトンの「有終の美」の願いは叶わず、15年のDRS時代に19歳の若き星が終止符。2026年からは新システム「MOM」に移行。

メルセデスのドライバー、キミ・アントネッリが、フォーミュラ1の歴史において最後にDRS(ドラッグリダクションシステム)を作動させたドライバーとなりました。それは2025年アブダビグランプリの最終ラップでのこと。2009年ワールドチャンピオンのジェンソン・バトンが抱いていた願いを断ち切る形となりました。バトンは2011年にDRSを初めて使用し、自身が最後にそのボタンを押すことで、このシステムの15年にわたる時代に象徴的な終止符を打ちたいと望んでいたのです。

なぜ重要なのか:

DRSの引退は、F1の技術史において重要で、しばしば議論の的となった一章の終わりを意味します。2026年に新たなオーバーテイクシステムに置き換えられることは、単純な空力の工夫から、より複雑なエネルギー管理ツールへと、オン・トラックでの戦いをどのように設計するかについての根本的な転換を表しています。

詳細:

  • DRSは2011年、オーバーテイク補助装置として導入されました。前の車から1秒以内にいるドライバーが、指定されたストレートでリアウィングのフラップを開くことを許可し、ドラッグを減らしてトップスピードを10-12km/h向上させました。
  • ジェンソン・バトンが2011年スペイングランプリで初めて作動させました。彼は今年初め、最後にそれを使用したいという願望を表明し、「ただ僕を車に乗せて、DRSボタンを押す最後の人間にさせてくれ。一巡するべきだと思うんだ」と述べていました。
  • その栄誉は代わりに、19歳のキミ・アントネッリに渡りました。彼はバトンが初めてこのシステムを使用したとき、わずか4歳でした。アントネッリはアブダビでの最終ラップで角田裕毅を追いかける際にDRSを作動させましたが、オーバーテイクを完了することはできず、0.6秒差でフィニッシュしました。
  • このシステムは賛否両論で、より多くのオーバーテイクを生み出したと称賛される一方、人工的なギミックだと批判する声もありました。

今後の展開:

DRSは2026年シーズンより、空力ではなくエネルギー配分に基づく新システム「Manual Override Mode (MOM)」に置き換えられます。

  • FIAのジャン・モンショーが説明したように、ドライバーが前の車に十分接近すると、単純なリアウィングの開放ではなく、そのラップ中に戦略的に配分できる追加の電気エネルギーが付与されます。
  • この変更は新しい2026年パワーユニット規定に沿ったもので、追いかける車にオーバーテイクを試みるためのパワーブーストを与えることを目的としており、戦術的な戦いを単純なボタン押下からエネルギー管理へと移行させます。

元の記事 :https://www.planetf1.com/news/jenson-button-f1-wish-denied-kimi-antonelli-in-abu...

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