
アストンマーティンF1、2024年は収益増も4600万ポンドの損失を計上
アストンマーティンF1、2024年の財務成績:
アストンマーティン・フォーミュラ1チームは、2024年12月31日を期末とする会計年度において、4,580万ポンド(約6,100万米ドル)の純損失を記録しました。これは2020年以降、5シーズン連続の赤字となり、累計損失額は1億8,950万ポンド(約2億5,250万米ドル)に達しています。
なぜ重要か:
これらの大幅な財政的損失にもかかわらず、この数字はチームが苦境に立っていることを示唆するものではありません。むしろ、チームオーナーであるローレンス・ストロール氏がアストンマーティンをチャンピオンシップ争いのできるチームへと変革させるための、積極的な投資戦略を反映しています。この莫大な投資は、トップクラスのインフラを構築し、優秀な人材を確保することで、最終的な目標であるトラック上での成功に繋げることを目指しています。
詳細:
- 財務パフォーマンス: 売上高は前年比14.7%増の2億8,070万ポンド(約3億7,400万米ドル)を記録しました。しかし、売上原価も11.5%増の1億8,110万ポンド(約2億4,130万米ドル)となりました。
- 戦略的投資: 損失は、チームの施設、技術、人材へのローレンス・ストロールオーナーによる多額の投資に直接起因しており、アストンマーティンを中堅チームからF1のトップ争いに引き上げることを目標としています。
- トップ人材の獲得: この戦略の鍵は、伝説的なエンジニアであるエイドリアン・ニューイ氏の獲得に象徴されるように、トップレベルの人材を引きつけることです。彼の加入は、2026年の新レギュレーション導入に先立ち、チームの技術力を大幅に向上させると期待されています。
- 商業的魅力: アストンマーティンの売上高は、メルセデス、マクラーレン、レッドブルに次ぐ、英国拠点のF1チームとしては最高水準です。また、2025年に締結されたものを含む多数の複数年パートナーシップを獲得しており、これらは将来の財務結果にプラスの影響を与えると見込まれています。
全体像:
巨額の投資に支えられたアストンマーティンの長期ビジョンは、F1の既存トップチームに挑戦するという明確な意図を示しています。財政的損失は、多額の初期投資が成功の鍵となるこのハイリスクなスポーツにおいて、必要な経費と見なされています。プライベートエクイティ投資家もこの可能性を認識しており、2025年7月にはアストンマーティン・ラゴンダ・ホールディングスによる少数株式の売却後、チームの評価額は24億ポンド(約33億米ドル)に達しました。
今後の展望:
ストロール氏とチームは、エイドリアン・ニューイ氏の専門知識と戦略的投資が、特に新技術レギュレーションの導入により、大きな成果をもたらすと期待しています。今後の財務結果は、新たな商業契約の影響を示し、チームが持続的なトラック上での成功と最終的な収益性の向上を目指す中で、現在の損失傾向が反転することを願っています。
元の記事 :https://www.blackbookmotorsport.com/news/f1-aston-martin-financial-loss-2024-oct...







