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F1ライバル新シリーズ、曖昧な参加資格要件に「赤信号」

F1ライバル新シリーズ、曖昧な参加資格要件に「赤信号」

要約
F1に対抗する新シリーズ「Formula Drivers World Championship」が、曖昧で安全基準に懸念のある参加資格要件を提示し、波紋を呼んでいます。FIA規定との矛盾や審査の甘さ、組織の不透明さなどが、その信頼性と安全性に深刻な疑問を投げかけています。

F1に挑戦する新シリーズ「Formula Drivers World Championship」が、チームとドライバーの参加資格に関する詳細を発表しましたが、この更新は、信頼性と安全性に関して、疑問をむしろ増やす結果となりました。

なぜ重要か:

ワールド・モータースポーツ・コンフェデレーション(WMC)の下で運営されるこの新シリーズは、F1やFIAに代わる、世界最高峰のモータースポーツクラスとしての地位を直接的に脅かすことを目指しています。しかし、曖昧なライセンスプロセス、年齢制限、透明性の欠如は、深刻な懐疑論を巻き起こしており、重大な法的および安全上の影響を及ぼす可能性があります。

詳細:

  • サーキットへの関心: WMCは世界中のサーキットと交渉中であり、17戦のカレンダーを目指していると主張しています。
  • チームエントリー: チームエントリーに関する交渉は公式にはまだ始まっていませんが、関心のあるチームは、将来の入札招待のために連絡するよう奨励されています。
  • ドライバー資格: WMCは、最低年齢を16歳とし、下位フォーミュラでの経験が2年以上あることを条件とし、WMC委員会の実車テストによる承認を待つとしています。18歳以上のドライバーは、過去のフォーミュラレース経験が必要で、WMCは独自のフォーミュラライセンスのために、他の競技の結果を認識する予定です。
    • FIAとの矛盾: この16歳という年齢制限は、WMCが提案するパワーウェイトレシオを持つ車両に必要な、FIAの国際A級ライセンスの最低年齢17歳という規定と矛盾します。
    • 厳格さの欠如: WMCライセンス取得のためのメディカルチェックや学科試験に関する言及がなく、FIAの基準と比較して、ドライバーの安全性に対する緩慢な姿勢を示唆しています。
  • 管理上の不整合: 大会名称に一貫性がなく、「Formula Drivers World Championship」という商標の公的な記録もありません。
  • FIAによる非承認: WMCはFIAと提携していません。FIAの国際モータースポーツ競技規約に基づき、FIA非公認のイベントは認められないため、WMCの競技で得た経験は、安全基準および運転基準の違いから、FIAには考慮されない可能性が高いです。
  • サーキットライセンス: WMCが会場と交渉している点は懸念されます。FIAの規則では、指定されたパワー/ウェイトレシオを持つ車両のレースを開催できるのは、グレード1のサーキットのみです。WMCがどの会場と交渉しているのか、そしてそれらがグレード1の基準を満たしているのかは不明です。グレード1以外のサーキットが検討された場合、これは再び安全性の懸念を引き起こします。
  • 組織の不透明性: WMCのウェブサイトは、メールアドレス以外には最小限の情報しか提供していません。2021年に登録されたこの組織は、その後の活動に関する詳細を提供しておらず、非営利団体としての資金調達についても説明されていません。
  • 物議を醸す人物: このシリーズは、F1チーム設立の過去の失敗歴を持つゾラン・ステファノビッチ氏が主導しており、懐疑論をさらに煽っています。

今後の展望:

さらなる詳細によってこれらの問題の一部が明確になる可能性はありますが、初期段階で明らかになる根本的な問題点は、WMCの「Formula Drivers World Championship」がいかに準備不足であるかを示しています。このシリーズが軌道に乗るためには、主催者は最近の更新によって提起された重大な安全性および規制上の問題を真摯に検討しつつ、その真正性、実行可能性、信頼性を証明するという困難な戦いに直面しています。

元の記事 :https://www.planetf1.com/news/rival-f1-series-team-and-driver-eligibility-update...

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