
メキシコGP FP1:F1グリッドの約半数がルーキーに
今週末のメキシコGP、F1のフリー走行1回目(FP1)セッションでは、レギュレーションにより義務付けられているルーキードライバーへの走行機会提供のため、通常グリッドにいるドライバーの約半数がステアリングを握ることになる。これにより、F2で活躍する若手やテストドライバー、耐久レースのスター選手などがサーキットを走行する貴重な機会を得る。
なぜ重要か:
- F1の規定では、各フルタイムドライバーはシーズン中に最低2回のFP1セッションで、ルーキー(グランプリ出場経験が2回以下のドライバー)にマシンを譲ることが義務付けられている。
- シーズンも終盤に差し掛かり、この義務を果たすための機会が少なくなっているため、多くのチームが「オ-トドロモ・エルマノ・ロドリゲス」での実施を選択している。
- このセッションは、若手タレントにとって貴重な実走行経験となるだけでなく、チームに新たな視点でのマシンセットアップのデータをもたらすだろう。ただし、レギュラー陣の走行時間は減少する。
詳細:
- 広範囲な変更: マクラーレン、メルセデス、フェラーリ、レッドブル、ウィリアムズ、ハース、アルピーヌ、アストンマーティンといった主要チームがFP1でドライバー変更を行う。
- フェラーリの選択: ル・マン24時間レースの優勝経験を持ち、長年フェラーリのシミュレータードライバーを務めるアントニオ・ジョヴィナッツィが、ルイス・ハミルトンの代わりにSF-25をドライブする。彼は昨年のポストシーズン・テスト以来、F1マシンを運転することになる。
- レッドブルの若手: F2レーサーのアルヴィッド・リンドブラッド(18歳)が、マックス・フェルスタッペンの代役としてRB21に乗り、シルバーストンでのデビューに続き2回目のFP1走行となる。
- マクラーレンの地元ヒーロー: インディカー・スターであり、マクラーレンのリザーブドライバーであるパト・オワードが、ランド・ノリスに代わり、メキシコシティのホーム観衆の声援を受けて走行する。
- メルセデスとウィリアムズ: フレデリック・ヴェスティがジョージ・ラッセルのマシンでメルセデスから4回目のプラクティス走行を行い、ウィリアムズの育成ドライバー、ルーク・ブラウンがカルロス・サインツのFW47をドライブする。
- アストンマーティンのデビュー: F2で4勝を挙げているジャック・クロフォードが、ランス・ストロールのマシンを引き継ぎ、F1週末にデビューする。
- ハースとアルピーヌ: リアム・ローソンが、オリバー・ベアマンに代わってハースで走行を続ける。また、ポール・アロンがピエール・ガスリーに代わりアルピーヌのマシンをテストする。
- アロンは、高地にある「オ-トドロモ・エルマノ・ロドリゲス」特有の難しさに言及し、それがマシンのハンドリングとセットアップに大きく影響すると予想した。
全体像:
ルーキードライバーの大量投入は、タイトなカレンダーと、チームが義務を果たす上で直面する特有の課題を浮き彫りにしている。カタールとブラジルのスプリント週末はFP1の時間を制限し、新たに加わったラスベガス市街地コースはミスを許容する余裕がほとんどない。結果として、メキシコとアブダビが、チームにとって2025年のルーキー義務を果たすための最後の現実的な機会となる。この集団的な決定は、シーズンが終盤を迎える中で、ドライバー育成と競争上の要求とのバランスを取るための戦略的な計画を際立たせている。
今後の展望:
レギュラードライバーたちは初期の走行時間を失うことになるが、ルーキーたちが収集したデータは、マシンのセットアップと開発に引き続き貢献するだろう。これらの若手タレントが得る経験は、彼らのキャリアにとって、またチームの長期的なドライバー育成計画にとって、計り知れない価値がある。ファンにとっては、将来のF1スター候補たちの走りを実際に目にするユニークな機会となり、メキシコGP週末の幕開けに興味深いダイナミズムを加えることになるだろう。
元の記事 :https://speedcafe.com/f1-news-2025-mexico-city-grand-prix-practice-rookie-driver...