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MotoE、2025年シーズンをもって一時休止へ…ファン離れと市場の停滞が影響

MotoE、2025年シーズンをもって一時休止へ…ファン離れと市場の停滞が影響

要約
MotoEが2025年シーズンを最後に一時休止となる。ファンの関心の低さや電動バイク市場の伸び悩みが主な理由。MotoGPは2027年までに100%非化石燃料への移行を進め、持続可能性への取り組みを強化する。

MotoE、2025年シーズン以降は一時休止

MotoGPのサポートカテゴリーとして運営されてきた電動バイクレースシリーズ、MotoEが2025年シーズン終了をもって「一時休止」に入ることが関係者によって発表されました。この決定は、ファンの関心の低さや、電動パフォーマンスバイク市場の予想を下回る発展が複合的に影響した結果です。

なぜ重要か: MotoEの一時休止は、電動モータースポーツにとって重要な瞬間を意味します。これは、観客の関心を惹きつけ、市場の現実に適応することの難しさを示唆しています。かつて電動レースが持続可能なモータースポーツの唯一の未来と見なされていたにもかかわらず、今回の動きは、MotoGP自体も2027年までに最高クラスで100%非化石燃料の使用を約束するなど、業界全体の方向転換を示唆しています。

全体像:ファンの興味の低下と市場の変化

MotoEは2019年、電動バイク技術を世界に披露するという野心的な目標を掲げてスタートしました。しかし、初期には2019年のヘレスでのテストで全車両が焼失するという壊滅的な火災事故に見舞われ、初シーズンの開始が遅れるなど、困難に直面しました。さらに根本的な問題として、ファンからの持続的な関心を掴むことができませんでした。

FIM(国際モーターサイクリズム連盟)とMotoGPの商業的権利所有者であるドルナ・スポーツは、中心的な問題を共同声明で以下のように明かしました。

  • ファンの支持不足: MotoEは「7シーズンにわたる競技活動を通じて、ファンベースの中で十分な支持を得ることができませんでした。」
  • 未熟な市場: 「電動パフォーマンスバイク市場は期待通りに発展しませんでした。」業界は「より効率的な内燃機関エンジンと、非化石燃料の使用」にますます注力しています。

MotoGPの持続可能性への焦点シフト

今回の発表は、MotoGPが既存の内燃機関クラスにおける持続可能性への取り組みを加速させている中で行われました。MotoGPは、2024年に導入された最低40%の非化石燃料使用義務を基盤に、2027年までに100%非化石燃料への移行を目指しています。この戦略は、より広範なオートバイ業界の方向性と一致しています。

関係者の声

FIMのホルヘ・ビエガス会長は、目標未達を認め、次のように述べました。

「事実、ドルナと共にこの革新的なカテゴリーを促進するためのあらゆる最善の努力にもかかわらず、我々もパフォーマンス電動バイク関連の業界も、目標を達成できなかったのが実情です。レースは非常に素晴らしく、MotoEに参戦した全てのライダーとチーム、そしてドルナに感謝したいと思います。私たちは共に未来を見据え、新たなイノベーションと技術を受け入れる準備ができています。」

ドルナ・スポーツのカルメロ・エズペレタCEOは、ファンの声と市場の動向に耳を傾けることの重要性を強調しました。

「私たちはトラック上でもオフでも常にイノベーションを追求していますが、同時に、ファンの声に耳を傾け、私たちが接続しようとしている新たな視聴者層を観察し、市場の発展を理解することを恐れてはなりません。これに基づき、FIMと共に、今シーズンの終わりにMotoEを一時休止することが適切な時期であると判断しました。」

今後の予定

MotoEは、一時休止措置が実施される前に、2024年と2025年のシーズンを完了する予定です。FIMとドルナは、「業界の方向性を引き続き監視・協議する」とし、「電動バイクの関連性、あるいはその他の代替持続可能な技術の重要性が将来的に高まった場合には、MotoEを再考する」と述べています。現時点では、MotoGPにおける持続可能性への取り組みは、伝統的なクラス向けの先進的な非化石燃料に重点が移ることになります。

元の記事 :https://www.planetf1.com/news/f1-news-motogp-motoe-suspended

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