
「クラッシュゲート隠蔽」で元F1首脳陣が「共謀」=マッサ弁護士が告発
なぜ重要か:
15年以上前の出来事にもかかわらず、フェリペ・マッサ氏が2008年のF1チャンピオンシップの結果を覆そうとする試みは、スポーツの歴史的記録に対する前例のない挑戦です。もしマッサ氏側が勝訴すれば、過去のレース結果の整合性に重大な影響を与え、将来の同様の請求に対する論争の的となる先例を生み出す可能性があります。現在、初期公判前審問が行われており、当時のF1の主要人物たちの行動に疑問を投げかける、トップレベルでの隠蔽疑惑が事件の核心となっています。
詳細:
- マッサ氏は、FIA、フォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)、そしてバーニー・エクレストン氏に対し、6,400万ポンド(約110億円)の損害賠償を求めています。
- この訴訟は、元F1最高責任者のバーニー・エクレストン氏が、2008年の『クラッシュゲート』の陰謀について、自身と当時のFIA会長マックス・モズレー氏が認識していたものの、スキャンダルを避けるために行動を起こさなかったと認めたとされるインタビューに端を発しています。
- エクレストン氏の弁護士は、エクレストン氏がそのインタビューを行ったことを覚えていないと述べています。
- 『クラッシュゲート』事件とは、2008年のシンガポールGPで、ネルソン・ピケJr.選手がルノーのチームメイトであるフェルナンド・アロンソ選手を利するために意図的にクラッシュを起こし、その後の戦略的なセーフティカー導入によってアロンソ選手が優勝したというものです。
- 当時レースをリードしていたマッサ選手は、給油ホースが車体に取り残されるという悲惨なピットストップミスにより、13位に終わりました。タイトル争いのライバルであるルイス・ハミルトン選手は、このレースで3位でした。
- マッサ氏の弁護士であるニック・デ・マルコKCは、この出来事が「世界のスポーツにおける最も深刻なスポーツ操作事件の一つ」であり、観客やドライバーの生命を危険にさらしたと主張しました。
- デ・マルコ弁護士はさらに、当時のF1首脳陣が、自身の利益とスポーツのイメージを守るために「意図的な共謀の隠蔽」に関与していたと述べています。
行間の意味:
FOM側の弁護士、アンネリーゼ・デイKCは、マッサ氏がチャンピオンシップを獲得できなかったのは、単にハミルトン選手がシーズンを通して「彼を上回るパフォーマンスを見せた」からであり、クラッシュゲート事件によるものではないと反論しました。彼女はマッサ氏の状況を「スポーツ史上最高のドライバーの一人と対峙するという不運」と表現し、この訴訟がマッサ氏の望む結果をもたらす可能性は低いと示唆しました。
今後の展開:
ロンドンの高等法院で行われている公判前審問は金曜日に終了する見込みです。その後、裁判所は本件を正式裁判にかけるべきか、あるいは却下するかを決定することになります。この決定は、F1コミュニティおよび法曹界から熱い注目を集めています。
元の記事 :https://www.motorsport.com/f1/news/massas-lawyer-ecclestone-mosley-involved-in-d...






