
アップル、2026年から米国でのF1放映権を獲得 ~大型契約締結~
フォーミュラ1(F1)は、2026年シーズンから米国における独占放映権をアップルに付与する5年間の大型契約を発表しました。近日公開予定のF1映画での協力に続くこの提携は、F1の年間放映権収入を大幅に押し上げると見られており、急速に変化する米国のファン層を開拓するための戦略的な一歩です。
なぜ重要か:
アップルとの新たなF1放映権契約は、米国における同スポーツの成長にとって画期的な瞬間です。この合意は、F1の収益源を大きく拡大するだけでなく、革新的な配信チャネルを通じて、より若く多様なファン層へのリーチを拡大することを目指し、米国のファン層の進化する人口統計学的変化に対応します。
詳細:
- 契約内容: 2026年から開始される5年契約は、年間約1億4,000万ドル(約210億円)と報じられており、これは前契約の年間料金を50%以上上回るものです。
- ファン層の変化: 2025年の調査によると、F1を5年未満見ている米国のファンの約半数が18~24歳であり、半数以上が女性です。この人口動態の変化は、若くデジタルネイティブな視聴者層にリーチすることの重要性を浮き彫りにしています。
- ESPNからの移行: 2018年から米国でF1を放映してきたESPNから権利が移行します。
- 包括的な中継: 2026年F1シーズンより、全てのプラクティスセッション、予選、スプリントレース、決勝レースがApple TVで配信されます。一部のレースとセッションは、Apple TVアプリで無料視聴可能となります。
- F1 TVとの連携: F1独自のプレミアムストリーミングサービス「F1 TV Premium」は、Apple TVサブスクリプション経由で米国でも引き続き利用可能で、その加入者は無料でアクセスできます。
- Appleエコシステムでの展開: この提携は単なる放映権にとどまらず、F1コンテンツはApple News、Apple Maps、Apple Music、Apple Sports、Apple Fitness+など、様々なAppleプラットフォーム全体で「展開」される予定です。
大局:
コマーシャル放送契約は、フォーミュラ1にとって重要な収益の柱です。特に、プロモーターフィーやトラックサイドホスピタリティからの成長機会が限られている中、その重要性は増しています。米国を中心に高まるF1の世界的な関心は、商業権保有者が放映権の価値を大幅に引き上げることを可能にします。今回のアップルとの契約は、この勢いを活用し、アップルの広範なエコシステムと技術力を駆使して、F1をファンの日常生活にさらに深く浸透させ、新たなファンを獲得することを目指します。
今後:
この提携は、革新的なコンテンツ配信と広範なユーザーベースで知られるテクノロジー大手と連携することで、米国内でのF1の成長潜在力を最大化するための戦略です。成功すれば、F1がデジタルプラットフォームを活用してより広範で多様な視聴者層と関わる方法を示す、他の主要市場における将来の放映権契約の青写真となる可能性があります。Appleのサービス全体での統合は、ファンを年間を通じて惹きつけ、デジタル時代におけるF1の視聴方法を変革する可能性があります。
元の記事 :https://www.planetf1.com/news/apple-lands-f1-broadcast-rights-in-key-new-deal