
FIA、ローソン氏の安全問題巡りメキシコ当局の「誤り」主張を却下
FIA(国際自動車連盟)は、メキシコシティGPで発生したリアム・ローソン氏とトラックマーシャルとの間で起きた、冷や汗もののニアミス事故に関して、メキシコ国内のモータースポーツ統括団体であるOMDAI Sport Mexicoが主張した「誤った」見解を強く否定しました。FIAは公式声明でOMDAIの提案を「不正確」と断じ、ローソン氏の行動は「適切かつ安全であった」と擁護。FIAとメキシコ支部との間のこうした対立は、レーシング・ブルズのドライバーを困惑させ、パドック全体に懸念を広げた一件に、さらなる波紋を投げかけています。
なぜ重要か:
このインシデントは、トラックマーシャルの配置という点において、F1の重要な安全プロトコルとコミュニケーションの断絶を浮き彫りにします。FIAがローソン氏の潔白を明確にし、徹底的な調査を行う姿勢を示したことは、マーシャルとドライバー双方の安全へのスポーツのコミットメントを強調するものであり、たとえ些細な誤解であっても、高速環境下では深刻な事態を招きかねないことを示唆しています。
詳細:
- この衝撃的な出来事は、アウトドロモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われたレースの3周目に発生しました。カルロス・サインツ選手との接触後、ピットストップで新しいフロントウイングを装着したローソン選手は、その直後、3コーナーへ進入する際に、走行中のトラックを横断していた2名のマーシャルと遭遇しました。
- ローソン選手はレース後、信じられないという表情で「正直、何が起きているのか信じられなかった…一歩間違えればぶつかっていた。本当に、本当に危険だった」と語りました。彼はこの状況を「容認できない」とし、マーシャルが走行中のトラックにいた理由の説明を求めました。
- 報道によると、マーシャルは当初、混乱したレース序盤のデブリ(破損物)撤去のために配置されたとのこと。しかし、ローソン選手の予期せぬピットストップにより、一時的に形成されていたセーフティギャップが消滅したため、トラックへの進入命令は取り消されたとされています。
- OMDAIの当初の主張: OMDAI Sport Mexicoは、当該コーナーに表示されていたダブルイエローフラッグの下で、ローソン選手が十分に減速していなかったと主張し、迅速に声明を発表してローソン選手を非難しました。この主張が、FIAの強力な反論を直接的に引き起こしました。
- FIAによる反論と潔白の証明: FIAは金曜日に発表した声明で、OMDAIの主張と正面から対立することを表明。「インシデントのテレメトリデータを分析した結果、車両30号車のドライバー、リアム・ローソン選手は適切に減速し、当該エリアに表示されたダブルイエローフラッグに正しく反応しており、他のラップよりも早くブレーキングし、ターン1への進入速度はレーススピードより著しく遅かったことを確認できる」と述べました。
- FIAは明確にローソン選手に「このインシデントにおいて一切の責任はない」と宣言し、ボランティアおよびマーシャルのプロフェッショナリズムに感謝を表明するとともに、彼らのスポーツにおける不可欠な役割を強調しました。
今後の展開:
FIAは、この危険なインシデントに関する内部調査を継続しています。FIAは、走行中の車列の前にマーシャルがいる状況は一切容認できないことを強調しており、正確な一連の経緯を把握し、手順上の改善点を見出すため、包括的な内部調査を実施しています。
- FIAは、スポーツの安全性を向上させるという共通の目標を達成するため、OMDAI(メキシコ自動車クラブ)およびレーシング・ブルズ・フォーミュラ1チームと、オープンかつ透明性のある姿勢で協力しています。
- 多言語での無線通信を含む、関連するすべての証拠の収集とレビューを含む詳細な分析には時間がかかります。
- レビューが完了次第、結果が共有され、責任の所在が明確化され、将来的な再発防止につながることが保証されます。FIAの断固たる対応は、ローソン選手の潔白を証明するだけでなく、レース中のトラックサイドにおける潜在的なコミュニケーション不備にも焦点を当てています。
ローソン選手にとって、マーシャルが無傷であったことは最大の安堵であり、これほど危険なシナリオが発生したことへの信じがたい思いでした。フォーミュラ1の統括機関にとっては、高度に管理された環境であっても、コミュニケーションのたった一つのミスが、いかに危険な結果を招きうるかという、厳しい教訓となりました。
元の記事 :https://f1i.com/news/552477-fia-slams-mexican-bodys-incorrect-claims-in-lawson-s...





