
FIA会長、ガスリーへの殺害予告1万3千件に警鐘 「オンラインの暴走は疫病のようなもの」
FIAのモハメッド・ベン・スライエム会長は、フォーミュラ1内部で広がる「病理」に強い警鐘を鳴らしました。スペインGPでのチームオーダーを巡る騒動後、ピエール・ガスリーに対し約1万3千件もの殺害予告が届いたことが明らかになりました。こうした毒性の強い攻撃の急増は、スポーツ上の意見の相違がドライバーやその家族への標的型暴力へとエスカレートするという、ファン文化の危険な変容を浮き彫りにしています。
Why it matters:
今回の攻撃規模は、単なるスポーツのライバル意識を超えた危機であることを示しています。選手のパートナーや家族までが標的となることで、グリッド全体の精神的な健康を脅かす敵対的な環境が作り出されています。また、現在の管理体制では、組織的かつ大量に行われるオンライン上のハラスメントを抑止できていない実態が露呈しました。
The Details:
- きっかけ: スペインGPにて、アルピーヌがフランコ・コラピントに対し、チームメイトのピエール・ガスリーに順位を譲るよう指示したことが発端となりました。無線で露呈したコラピントの不満が、彼のファンを刺激するトリガーとなりました。
- 影響: ピエール・ガスリーは、脅迫が職業的な範囲を超えてパートナーや家族にまで及んだことを報告し、攻撃の内容が完全に不適切であると訴えています。
- 火に油を注いだ要因: 米国GPの際、タレントのジェレミー・クラークソン氏がコラピントの国籍に関する冗談を飛ばし、緊張が高まりました。ベン・スライエム会長はクラークソン氏の意図を擁護しましたが、アルピーヌはリスペクトの価値観を守るため、公式にこの発言と距離を置きました。
- 波及範囲: 被害はドライバーに留まりません。ボランティアで活動するFIAのスチュワードたちからも、殺害予告を受けたと報告が上がっています。
The Big Picture:
現在のF1は、SNSを通じてファンの忠誠心が「武器」に変えられてしまう構造的な問題に直面しています。ベン・スライエム会長はこれを、放置すればスポーツを破壊しかねない「疫病」と表現しました。FIAは現在、AIによる検知と、政府やテック大手との連携による悪質なユーザーの特定・遮断を組み合わせた多角的なアプローチを提唱しています。
What's next:
スポーツ界は「ゼロ・トレランス(容認しない)」方針へと舵を切っています。アルピーヌのフラビオ・ブリアトーレ氏は、コラピントのファンによる攻撃が続く場合、コラピントのメディア出演やアルゼンチン・テレビ局へのインタビューを厳しく制限するという最後通牒を突きつけました。FIAは、ドライバーがアンバサダーとしてこうした行為を明確に否定し、コミュニティを守るよう呼びかけています。
元の記事 :https://www.planetf1.com/news/pierre-gasly-death-threats-jeremy-clarkson-joke-fi...





