
フェラーリCEO、バセール代表に「全幅の信頼」を公言、憶測に終止符
フェラーリのCEO、ジョン・エルカーン氏は、F1チーム代表フレッド・バセール氏に対し、「全幅の信頼」を置いているという異例の公開声明を発表しました。これは、フェラーリが未勝利で厳しい2025年F1シーズンを戦う中、バセール氏の進退を巡る絶え間ない憶測が出ている状況下での決定です。
なぜ重要か:
フェラーリがバセール氏を公に支持する姿勢は、チームを混乱させる憶測を鎮静化させ、困難な時期におけるチームの集中力を安定させることを目的としています。CEOによるこの稀な介入は、チームが受ける内外からのプレッシャーの強さを浮き彫りにし、オンボードパフォーマンスの向上と将来のシーズン準備における結束の重要性を強調しています。
詳細:
- 絶えない憶測: フェラーリは7月にバセール氏との契約を数年間延長したにもかかわらず、彼の進退に関する憶測は激化していました。特にシンガポールGPの後には、フェラーリが2026年のチーム代表職に関して、元レッドブル代表のクリスチャン・ホーナー氏と接触していたという報道がなされました。
- ホーナー氏の立場: The Raceによると、ホーナー氏はフェラーリのシニア関係者と接触したことは事実ですが、マラネッロでの役職に関する具体的な話し合いは行われていません。情報筋は、ホーナー氏が2022年にもオファーを断っており、フェラーリのチーム代表就任には一切関心がないことを明確にしています。ホーナー氏の野心は、F1のオーナーシップ構造、特に新しいチームコンソーシアムの一員となることにあります。
- エルカーン氏の介入: 予想外の決断として、エルカーン氏は米国GPウィークエンド中に声明を発表し、バセール氏とスクーデリア・フェラーリチーム全体への「全幅の信頼」を公に表明しました。これは、シーズン序盤にバセール氏の進退に関する憶測に対してフェラーリが沈黙を貫いていたこれまでの姿勢とは対照的なものです。
- ハミルトン氏の視点: フェラーリでの初シーズンが期待を下回っている7度のF1チャンピオン、ルイス・ハミルトン氏は、ホーナー氏の噂を「不必要な気晴らし」と認めました。彼は、チームのバセール氏へのコミットメントと、将来のパフォーマンスおよび開発に集中することの重要性を強調しました。
- ハミルトン氏は「チームはフレッド(バセール)との再契約に関して、自分たちの立場を明確にしており、フレッドと私、そしてチーム全体が、チームの未来のために非常に懸命に努力しています」と述べました。
- 彼は、そのような噂は「役に立たず」、ファクトリーチームにとっては「気を散らせるもの」になり得ると付け加え、来シーズンのマシン改善に集中するよう促しました。
大局:
フェラーリの2025年シーズンは、未勝利の連続と高まる精査の中で、厳しいものとなっています。エルカーン氏による自信の公開表明は、リーダーシップを強化し、チームの士気や将来計画を台無しにする可能性のある外部からのプレッシャーを軽減しようとする戦略的な試みです。この動きは、チャンピオンシップ争いに返り咲こうとするチームにとって不可欠な、安定性と結束を打ち出すことを目指しています。今後は、この信頼の表明がどのようにパフォーマンスの向上と、より安定した開発環境につながるかに焦点が移ります。
今後:
エルカーン氏の明確な支持を得て、バセール氏はフェラーリの競争力強化に向けた努力を引き続き主導していくと予想されます。目下の焦点は、シーズン残りの期間における現在のパフォーマンスの最適化、そして最も重要なこととして、2026年型マシンの開発に置かれます。この公の支持によってもたらされる安定性は、リーダーシップの不確実性という影なく、チームが技術的進歩と戦略計画に集中することを可能にするでしょう。バセール氏に残された課題は、この信頼を実質的なオンボードでの結果に結びつけ、一貫した競争力を取り戻すことです。
元の記事 :https://www.the-race.com/formula-1/ferrari-unexpected-vote-of-confidence-fred-va...