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F1、ドライレースでの義務ピットストップ2回制を検討か - エンタメ性向上が目的?

F1、ドライレースでの義務ピットストップ2回制を検討か - エンタメ性向上が目的?

要約
F1がレースのエンターテイメント性向上のため、ドライレースでの義務的な2回ピットストップ制導入を検討している。戦略の多様化が期待される一方、モナコでの例のような意図せぬ結果や、チームによる戦術操作のリスクも指摘されている。今後の議論の行方が注目される。

フォーミュラ1(F1)は、ドライレースにおける義務的な2回のピットストップ戦略の導入を検討していると報じられています。これは、レースのエンターテイメント性と戦略的な多様性を高めることを目的とした動きです。

現行規則では、ドライコンパウンドタイヤを2種類使用し、最低1回のピットストップを行うことが義務付けられていますが、F1コミッション内ではこの大幅な変更が議論されている模様です。

なぜ重要なのか:

F1は長年にわたり、レースをより予測不可能でエキサイティングにする方法を模索してきました。義務的な2回ピットストップ制は、チームにそれまで以上にダイナミックな戦略を強制し、オーバーテイクの増加や予測困難なレース展開につながる可能性があります。これは、スポーツのグローバルな視聴者層を維持・拡大する上で極めて重要です。

詳細:

  • 現行規則: ドライレースでは、最低1回のピットストップを行い、2種類の異なるドライタイヤコンパウンドを使用する必要があります。
  • 提案されている変更: F1コミッションは、ドライレースごとに2回のピットストップを義務付ける規則変更を協議しています。
  • モナコでの前例: 今年初めのモナコGPでは、事実上の義務2回ピットストップ状況が発生しましたが、一部のチームはセカンドカーを利用して後続を遅らせ、リードドライバーがポジションを失うことなくピットインできるようにしました。これは、意図しない結果を招く可能性を示唆しています。
  • ピットレーン速度制限: ピットストップ時間は短縮されていますが、ピットレーン速度制限(時速60mphから50mphへ、一部サーキットではさらに低い)により、ピットレーン全体の時間が長くなったことで、ワンストップ戦略が最適な選択肢となるケースが多くなっています。
  • 戦略的バリエーション: ワンストップが主流であるにもかかわらず、現行規則は依然として戦略的なバリエーションを許容しています。例えば、レース後半にタイヤ交換のために追加のピットストップを行う、あるいはトラックポジションを優先してタイヤのデグラデーションのリスクを冒しながらストップ回数を最小限に抑えるといった戦術です。

行間を読む:

義務的な2回ピットストップ制のレースは、レースのダイナミクスを根本的に変える可能性があります。一方では、より多くの「アクション」と戦略的な複雑さを増すかもしれません。他方では、既存の戦略的バリエーションを排除し、より速いマシンがフレッシュなタイヤでさらに引き離すことで、パフォーマンスの差をより露呈させる可能性があります。モナコで見られたように、チームがこの規則を自分たちの有利に操作しようとするリスクも存在します。

今後の展望:

この提案はまだF1コミッション内での初期段階の議論であり、実装が保証されているわけではありません。チーム、ドライバー、ファンを含むF1コミュニティは、議論が進むにつれて、潜在的な利点と欠点について意見を表明することになるでしょう。2026年には新しいパワーユニット規制も導入されるため、その時期に大幅な規則変更が行われる場合、スポーツのスペクタクルを向上させるという意図された目標を達成しつつ、競争のインテグリティを損なわないよう、慎重な検討が必要となるでしょう。

元の記事 :https://www.planetf1.com/news/vote-fia-mandatory-two-f1-pit-stop-idea

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