
「大混乱」:フェラーリ関係者が明かす2009年ライコネン・タイヤ戦略ミスの舞台裏
元フェラーリのエンジニア、ロブ・スメドリー氏が、2009年マレーシアGPで起きたキミ・ライコネンへの不可解なピットストップの真相を語りました。セパンの路面が完全にドライだったにもかかわらず、チームはフルウェットタイヤを装着するという致命的な判断を下しました。スメドリー氏は、実際には20分後まで降り来なかった豪雨に賭けたこの状況を、率直に「大混乱(clusterf**k)」と表現しています。
Why it matters:
この失策は、天候予測への過信とピットウォールのパニックが重なった時に何が起きるかを示す、フェラーリ史に残る警告となっています。給油ルールによる早期ストップの必要性と、空を覆う暗雲。チームは他チームを出し抜こうとしましたが、結果としてライコネンのレースを台無しにし、戦略的失敗の典型例を作り出してしまいました。
The details:
- フェリペ・マサ側を担当していたスメドリー氏は、チーフトラックエンジニアのクリス・ダイヤー氏とライコネンの担当であるアンドレア・ステラ氏が空を注視していた様子を回想しています。わずかな雨が降り始めた瞬間、彼らが選んだのはインターミディエイトではなく、フルウェットでした。
- ドライ路面に復帰したライコネンは、即座に不信感をあらわにしました。高温の路面でフルウェットタイヤが激しく消耗し、3ラップにわたって1ラップあたり約10秒もの時間をロスしました。
- 実際に豪雨が訪れた時にはすでにタイヤは使い物にならず、最下位から再びインターミディエイトへ交換することを余儀なくされました。最終的にライコネンは、優勝したジェンソン・バトンの2分後ろ、14位でフィニッシュしました。
- スメドリー氏によれば、レーダーでは豪雨の到達まであと約20分かかると出ており、判断が数ラップ早すぎたとのことです。
Between the lines:
スメドリー氏の話は、最高峰のピットウォールであっても、プレッシャーがいかに容易に判断力を狂わせるかを浮き彫りにしています。冷静な判断で知られるアンドレア・ステラ氏でさえ、戦略を構築するのではなく単に指示を伝達していたように見えた点は、危急の瞬間に混乱がいかに広がったかを物語っています。あれから約20年経った今でも、期待が現実を追い越しすぎることの危うさを教える教訓となっています。
元の記事 :https://www.planetf1.com/news/kimi-raikkonen-malaysia-2009-tyres





