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アロンソ、マクラーレン訴訟でパロウの弁護に「人間の盾」として利用される

アロンソ、マクラーレン訴訟でパロウの弁護に「人間の盾」として利用される

要約
アレックス・パロウはマクラーレンとの訴訟で、フェルナンド・アロンソのインディ500での過去の不振を例に、「ドライバーの力だけではチームの成績やスポンサー獲得は保証できない」と反論。マシン性能の重要性を訴え、今後の契約紛争に影響を与えうる。

アレックス・パロウ(Alex Palou)の法務チームは、マクラーレンが請求する2100万ドル(約30億円)の損害賠償に対し、フェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)のインディ500予選不通過の事例を引用して反論しています。パロウ側は、ドライバーのチームパフォーマンスやスポンサーシップへの影響力は、搭載されるマシンの性能によって限定されると主張。アロンソが異なるチームで経験したインディ500での様々な成績を、その論拠として提示しています。

なぜ重要か:

この訴訟は、モータースポーツにおけるドライバーの才能、チームのパフォーマンス、そして商業的価値の複雑な関係性を浮き彫りにします。パロウの弁護は、スタードライバー一人で巨額のスポンサー収入を保証したり、チームのパフォーマンス不足を補ったりできるという考え方に異議を唱えており、将来のレーシング契約紛争における先例となる可能性があります。

詳細:

  • パロウの主張: パロウの弁護側は、マクラーレンのインディカー・プログラムのパフォーマンスを考慮すれば、彼がマクラーレンが主張するほどのスポンサー収入を生み出すことは不可能だったと主張しています。
  • マシンの限界: パロウは「ドライバーが最高のマシンとチームを持たなければ、レースに勝つことはできない」と述べ、たとえ「モータースポーツ界のビッグネーム」であっても、適切な装備がなければ失敗すると強調しました。
  • フェルナンド・アロンソのインディ500での例:
    • 2019年 マクラーレン: 2度のF1チャンピオンであるアロンソは、マクラーレンのマシンでインディ500の予選を通過できず、ルーキーのカイル・カイザー(Kyle Kaiser)に敗れました。
    • 2017年 アンドレッティ: アロンソはアンドレッティから参戦し、インディ500でほぼ勝利するところまで行きましたが、メカニカルトラブルに見舞われました。
    • 2020年 マクラーレン: アロンソはマクラーレンで21位に終わり、マシンの限界を改めて示しました。
  • マクラーレンのインディカーでの成績: パロウは、「非常に優秀なドライバー」を擁していたにもかかわらず、マクラーレンのインディカープロジェクトがチャンピオンシップレベルの成果を上げていないことを指摘し、彼一人の参加で状況が劇的に変わることはなかっただろうと示唆しています。
  • ドライバーの影響力の限界: パロウは、ドライバーが「1年間、あるいは4、5年間にわたる」チーム全体の成功に与える影響は過大評価されていると結論付けています。

行間の意味:

この法廷闘争は、メッセージの削除やWhatsAppの会話漏洩などの告発が飛び交い、激しいものとなっています。パロウは以前、マクラーレンがザック・ブラウン(Zak Brown)氏のリーダーシップ下で潜在的なF1シートについて彼を誤解させていたと主張しました。また、ブラウン氏がヘルムート・マルコ(Helmut Marko)氏にしたとされる電話が、レッドブルの姉妹チームへの彼自身の関心を低下させたとも主張しており、ハイステークスのモータースポーツ契約における信頼と期待の物語をさらに複雑にしています。

今後の展開:

マクラーレンとアレックス・パロウの間で争われている約2100万ドルの訴訟は現在も続いており、両陣営は強力な主張を展開しています。この裁判の結果は、プロレーシングにおけるドライバー契約、パフォーマンス条項、スポンサーシップの評価方法に大きな影響を与える可能性があります。

元の記事 :https://www.gpblog.com/en/news/alonso-palous-human-shield-in-fierce-defense-agai...

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