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F1ドライバーがピレリのウェットタイヤを嫌う理由、その改善計画

F1ドライバーがピレリのウェットタイヤを嫌う理由、その改善計画

要約
F1ドライバーがピレリのウェットタイヤを避けるのは、グリップ不足とオーバーヒートが原因です。ピレリはこれらの問題に対処し、2026年までに性能を大幅に改善する計画です。

F1ドライバーはピレリのフルウェットタイヤをほとんど使用せず、コンディションがフルウェットを要求していてもインターミディエイトタイヤを好む傾向があります。ピレリは現在、この好みに繋がる根本的な設計上の欠陥に対処しています。

なぜ重要か:

フルウェットタイヤの使用が限定的であることは、極端なウェットコンディションにおける重大な問題を浮き彫りにし、ドライバーの自信とレースの安全性に影響を与えています。スプレーによる視界不良と、ドライバーがフルウェットタイヤの性能を信頼できないことが相まって、レースの遅延や中止につながる可能性があります。

全体像:

当初はアクアプレーニングや視界(失敗に終わったホイールカバーのテストも含む)に焦点が当てられていましたが、ピレリの最近の分析により、ドライバーの不満はコーナリング時の決定的なグリップ喪失に関するものであることが判明しました。このグリップの問題は、アクアプレーニング対策のためのタイヤ設計に起因しています。

詳細:

  • ドライバーの好み: 現世界チャンピオンのマックス・フェルスタッペンをはじめとするドライバーたちは、コンディションが厳しい場合でも、フルウェットではなく一貫してインターミディエイトを選んでいます。
  • クロスオーバーポイント: ピレリのモータースポーツ責任者であるマリオ・イゾラ氏は、フルウェットがインターミディエイトよりも速くなる実際のクロスオーバーポイントがドライラップタイムの約118%であり、目標の115-116%よりも高いと述べています。
  • 誤解されていた不満: イゾラ氏は、ドライバーが「アクアプレーニング」と認識していたものが、実際にはコーナリング時のグリップ喪失であったと説明しています。
  • 設計上の欠陥: アクアプレーニングに対処するため、ピレリは以前、溝の数を増やしました。これにより、トレッドブロックが小さく、より柔軟になり、過剰に動くことで熱が発生し、「ウェットタイヤ」がオーバーヒートしてグリップを失う原因となっていました。
  • 現在の修正: 2024年向けに、ピレリはトレッドパターンをわずかに修正し、このブロックの動きとそれに続くオーバーヒートを低減することで、激しいウェットコンディションでの性能向上を目指しています。

今後の展望:

  • 2026年の刷新: 2026年の新レギュレーションは、ピレリにとってウェットタイヤを完全に再設計する大きな機会となります。彼らの主要な目標は、クロスオーバーポイントを大幅に改善し、チームが性能を損なうことなくインターミディエイトとフルウェットを切り替えられるようにすることです。全く異なるトレッドパターンも検討されています。
  • テストの課題: 効果的なウェットタイヤの開発は、高負荷なウェットトラックでのテスト機会が限られていることで妨げられています。ピレリは、例えばドライテスト中に雨が降った場合など、自然に濡れたテストセッションを利用して重要なデータを収集することで対応しています。これは管理された環境ではないものの、レース週末で遭遇するような状況に近いデータを得ています。

元の記事 :https://www.motorsport.com/f1/news/Why-F1-drivers-dont-like-Pirelli-wet-tyres/10...

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