
FIA、2031年に向けV8エンジン復活を推進 メーカー間で意見分かれる
フォーミュラ1は、2031年のパワーユニットの方向性を巡り、早くも議論を始めています。モハメド・ベン・スライエムFIA会長は、小規模なKERSを備えた自然吸気V8エンジンへの回帰を掲げていますが、選手権の技術的アイデンティティを再定義しかねないこの構想に対し、メーカー側の意見は二分しています。
Why it matters:
この議論の本質は、F1が「純粋なスペクタクル」を優先すべきか、あるいは「市販車の開発ラボ」としての役割を果たすべきかという点にあります。結論次第でグランプリのサウンドと哲学は一変します。一方で、19,000rpmのV8サウンドをライブで体験したことのない35歳以下の若いファンが、果たしてこのノスタルジーを求めているのかという点に疑問を呈するエンジニアも少なくありません。
The details:
- スライエム会長のコンセプト: ICE(内燃機関)の10〜20%程度の出力を担う小規模なKERSを組み合わせた高回転V8エンジンを提案。これにより、2026年のハイブリッド時代に定着しそうな「リフト&コースト(コースティング)」の傾向を排除しようとしています。
- メーカーの反応: フェラーリ、キャデラック、レッドブル・フォードは前向きな姿勢を見せていますが、メルセデスとアウディは市販車との技術的シナジーを重視し、ターボユニットの継続を希望しています。
- 軽量化へのアプローチ: 車体重量700kgという目標を達成するため、「レース中の燃料補給」の再導入が浮上しています。燃料タンクを小型化することで、スタート時の重量を50kg以上削減する狙いですが、チーム側はサステナビリティに基づいた近年の物流削減策に逆行すると懸念しています。
The big picture:
コスト削減、軽量化、簡素化という目標は共通していますが、そこに至る道筋には相違があります。提示されるあらゆる変更案は、スライエム会長が描く「レースの浪漫」と、6つのメーカーが直面する「商業的なエンジニアリングの現実」との選択を迫るものです。
What's next:
FIAとメーカー間の交渉は端緒についたばかりであり、エンジンの構成や物流面での合意には至っていません。2031年の最終仕様は、ファンの期待感と、F1への投資を正当化する必要があるメーカーの戦略的要請を、いかにバランスさせるかが鍵となります。
元の記事 :https://www.motorsport.com/f1/news/f1-between-naturally-aspirated-and-turbocharg...





