
FIA会長選に波乱:ベン・スライエム氏、無投票当選の公算大
要約
次期FIA会長選挙で、現職のモハメド・ビン・スライェム氏が無投票当選となる見通しです。候補者リストに必要な南米やアフリカなど特定地域の候補者が確保できず、対立候補擁立が困難な状況。10月24日の締切後、投票なしで決まる公算が大きいです。
FIA会長選の展開に一石:ベン・スライエム氏、無投票当選の公算大
次期FIA(国際自動車連盟)会長選挙が、予想外の展開を迎えています。現職のモハメド・ビン・スライェム会長が、2期目への無投票当選を果たす見通しとなったのです。これは、対立候補となる可能性のある人物たちが、12月12日の投票日までに厳格な立候補資格要件を満たせない状況にあるためと見られています。
なぜ重要か:
- この状況は、FIAのトップリーダーシップを巡る本格的な争いを事実上封じ込め、ベン・スライエム現政権下での継続的な安定期を示唆する可能性があります。
- 対立候補の不在は、特に実績の少ない地域や現執行部との強いつながりを持たない候補者にとって、FIAの選挙プロセスのアクセシビリティ(利用しやすさ)や公平性に対する疑問を提起します。
詳細:
- 立候補者の障壁: 元F1スチュワードのティム・メイヤー氏、ローラ・ビジャール氏、ヴィルジニー・フィリポ氏の3名が、ベン・スライエム氏への挑戦の意向を示していました。
- 会長リストの要件: 立候補者リストに名を連ねるには、10月24日までに「会長リスト」を提出する必要があります。このリストには、元老院議長1名、自動車モビリティ&ツーリズム担当副会長1名、スポーツ担当副会長1名、そしてスポーツ担当副会長7名が含まれる必要があります。
- 地域別副会長枠: 7名のスポーツ担当副会長は、FIA公認のWMSC(世界モータースポーツ評議会)候補者リストから選出され、北米、南米、アジア太平洋、アフリカ、MENAから各1名、そしてヨーロッパから2名を代表する必要があります。
- 致命的な候補者不足: FIAが最近公表した29名のWMSC適格候補者リストは、挑戦者たちが直面する根本的な問題を浮き彫りにしています:
- 南米からは、ファビアナ・エクレストン氏(ブラジル)ただ一人しかリストに載っておらず、彼女は既にベン・スライエム氏のチームを支持することを表明しています。選挙規則では、一人の候補者が複数の会長リストに名を連ねることは禁じられているため、他のどの挑戦者も南米地域枠を満たすことは不可能です。
- 同様に、アフリカ出身の候補者であるロドリゴ・ロシャ氏(モザンビーク)とアミナ・C・モハメド氏(ケニア)もベン・スライエム氏の支持者として知られており、ロシャ氏は既に彼のリストに含まれています。
行間を読む:
- 不明瞭な状況: ベン・スライエム氏のライバルたちが、なぜ極めて重要な地域から適格なWMSC候補者を確保できなかったのか、その経緯は明らかではありません。
- 経験豊富な挑戦者: FIAでの豊富な経験を持つティム・メイヤー氏であれば、選挙規則や地域代表の必要性を誰よりも熟知していたはずです。
- 候補者不足の背景: 各国のクラブがWMSC候補者を推薦しなかった、9月19日の締め切りを逃した、あるいは推薦委員会の審査で却下された、といった可能性が考えられます。
- FIAの見解: 選挙規則に基づき、FIAは中立性の観点から個々の候補者に関するコメントは控えています。
今後の展望:
ベン・スライエム氏のライバルたちが10月24日の締め切りまでに有効な会長リストをまとめられなかった場合、選挙は実質的に投票なしで終了し、ベン・スライエム氏は無競争で2期目の任期を確保することになります。この結果は、FIAが激しい選挙戦を経ずにリーダーシップの移行を進めるという、重要な局面を迎えることを意味します。
元の記事 :https://www.the-race.com/formula-1/big-twist-fia-president-race-mohammed-ben-sul...